BYDは日本撤退するのか?真相と日本市場での現状を徹底解説

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BYDは本当に日本から撤退するのか?その真相と背景

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「BYDが日本から撤退する」という噂が一部で広がっています。

しかし、結論から言えば、2025年6月現時点でBYDが日本市場から撤退するという公式な発表はありません。

むしろ、同社は2025年末までに全国100拠点の展開を目指すなど、積極的な市場開拓戦略を進めています。

とはいえ、BYDが日本市場で順調に成果を上げているとは言い難いのも事実です。中国や欧州で急成長を遂げているのに対し、日本では販売台数・ブランド認知・信頼性の面で大きな課題を抱えています。

本記事では、BYD日本撤退の噂の真相を明らかにするとともに、日本市場で同社が苦戦している理由や今後の展望について、具体的なデータや事例を交えてわかりやすく解説していきます。

なぜBYDは日本市場で苦戦しているのか?5つの壁

BYDが日本市場で苦戦している背景には、いくつかの根深い要因があります。世界的には販売台数を伸ばし続ける同社が、日本では思うように浸透していない理由を以下に解説します。

1. 国内電気自動車(EV)普及率の低さと充電インフラの課題

日本では依然としてハイブリッド車が主流であり、EVの普及率は欧州や中国に比べて低水準にとどまっています。さらに、公共の充電スタンドの数が限られており、地方では充電環境の整備が追いついていないことが、EV全体の普及を妨げています。

2. 中国製品への不信感

「中国製=品質に不安」というイメージが、日本市場には根強く存在します。BYDが提供するEVは価格競争力に優れていますが、その安さが逆に「品質は大丈夫か?」という不安につながるケースも多いのです。

3. ブランド認知の低さ

BYDは世界市場ではトップクラスのEVメーカーですが、日本国内での認知度はまだまだ低いのが現状です。テレビCMやイベントでのプロモーションは行われていますが、他の大手日本メーカーに比べると、まだ存在感は希薄です。

4. アフターサービス体制の不十分さ

EV購入時に重視されるのが、購入後のメンテナンスやサポート体制です。BYDは現在拠点の拡大を進めていますが、地方部ではサービス拠点が少なく、「故障時の対応に不安がある」といった声も見られます。

5. 再販価値(リセールバリュー)の不安

EVの中古市場は発展途上であり、特に海外ブランドのEVは再販価格が不安定です。将来的な下取り価格に不安を持つ消費者が多いことも、BYDの普及を妨げる一因となっています。

数字と事例で見るBYDの現状と挑戦

ここでは、BYDが実際に日本市場でどのような状況にあるのか、具体的なデータと事例を通して読み解いていきます。

日本での販売実績はまだ発展途上

2023年にBYDが日本で販売した台数は1,446台。これは国産EVやハイブリッド車と比較するとごくわずかで、国内電気自動車(EV)市場における存在感は限定的です。ランキングで見ると17位に位置づけられており、同社にとっては今後の成長余地が大きいといえます。

広告戦略に長澤まさみを起用

BYDは日本市場での認知拡大を狙い、女優・長澤まさみさんを起用したテレビCMを放映。高性能なEVであることをアピールしつつ、「中国製EV=安かろう悪かろう」という印象を払拭する戦略をとっています。

他社との比較:トヨタ・日産との違い

トヨタや日産は長年のブランド力と信頼性、そして広範な販売・サービスネットワークを武器にEV展開を加速しています。BYDは価格では優位に立てるものの、信頼性やサポート体制の面ではこれらの大手と比べると依然として後れを取っているのが現実です。

欧州市場では成功モデルも

一方で、BYDは欧州市場においては低価格で高性能なEVとして評価されており、シティコミューターとしての需要を取り込んでいます。このことは、日本市場でもターゲットを明確にすれば可能性があることを示唆しています。

購入後のサポートとリセールに不安

BYD車に対する購入者の声には、「故障時の対応に時間がかかる」「部品供給が不安」というものも散見されます。また、リセールバリューが低いことを懸念する声もあり、慎重に比較検討する購入者が多い状況です。

実際にBYD車を試乗したユーザーの声とは?

インターネット上では、実際にBYDのEVに試乗した人々の声が徐々に増えつつあります。中でも注目されているのが「ATTO 3」や「DOLPHIN」など、日本で展開されているモデルに対する評価です。

ポジティブな声

  • 「価格の割に内装の質感が高く、思っていたよりもしっかりしていた」
  • 「加速性能が良く、街乗りではまったく不満なし」
  • 「操作が直感的で、EV初心者にもやさしい設計だと思った」

ネガティブな声

  • 「ナビが使いにくい」「インフォテインメントの日本語対応が甘い」
  • 「サービス拠点が少なく、購入に踏み切れない」
  • 「ブランドとしての安心感がまだ弱い」

ユーザーの声を総合すると、コストパフォーマンスや走行性能に関しては概ね好評である一方、アフターサービスや細かいユーザビリティには改善の余地があることがわかります。このような“生の声”は、購入検討中の読者にとって非常に参考になるポイントです。

BYDの2025年戦略と日本市場での新展開

2025年に向けて、BYDは日本市場での存在感をさらに強化するための具体的な戦略を進めています。これらの取り組みは、撤退どころか「本格参入フェーズ」に入ったと解釈すべき内容です。

全国100拠点の整備が本格化

BYDは日本国内での販売網拡充を目指し、2025年末までに販売・整備拠点を100カ所以上に拡大する計画を進めています。現時点では関東圏を中心に徐々にネットワークが広がっており、今後は地方都市や郊外エリアへの進出が見込まれています。

新モデルの投入と価格戦略

2024年にはコンパクトEV「DOLPHIN(ドルフィン)」を正式に投入。補助金を活用すれば200万円台前半で購入可能な価格設定とし、若年層や新規EVユーザーを中心に需要の掘り起こしを図っています。

サポート体制の強化も同時進行

整備士の研修や部品供給網の強化など、アフターサポート体制の構築も進められています。これにより「故障時の対応に不安がある」といった声に対しても、一定の改善が見込まれます。

これらの戦略が功を奏せば、BYDは日本市場で「低価格かつ実用的なEVブランド」としての地位を築く可能性があります。

BYDの未来は「信頼構築」と「日本市場への適応」にかかっている

現時点では、BYDが日本から撤退するという事実はなく、むしろ拠点拡大や新モデルの導入といった前向きな戦略が進行中です。とはいえ、信頼性やサポート体制、ブランド力の強化といった課題を克服しなければ、日本市場での本格的な成功は難しいでしょう。

EV購入を検討している方にとって、BYDはコストパフォーマンスの高い選択肢となる可能性を秘めています。しかし、購入前には以下の点に注意することが大切です:

  • アフターサポートの拠点が生活圏にあるか
  • リセールバリューや保証内容を確認済みか
  • 自分の利用スタイルにEVが合っているか

BYDの挑戦は始まったばかりです。今後、同社が日本市場にどのように適応し、信頼を築いていくかは、EV市場全体の動きにも大きな影響を与えるでしょう。読者の皆様も、EV選びの参考として引き続き注目していくことをおすすめします。

まとめ

  • BYDは日本撤退していない(拠点拡大中)
  • 日本ではEV普及が遅れ、BYDも苦戦
  • 中国製品への不安が根強い
  • アフターサービスと信頼性に課題あり
  • バッテリー自社生産でコストを抑え、低価格を実現
  • 「DOLPHIN」など安価な新モデルで若年層を狙う
  • 試乗者の評価は「走行性能は良いが、サポートに不安」
  • 今後はサポート体制とブランド信頼の強化がカギ