「日産フィガロが復刻されるらしい——」
そんな噂を、YouTubeやSNSで目にしたことはありませんか？
レトロで可愛らしいデザインが魅力の名車「フィガロ」。その復刻情報がネットで広まり、多くのファンが期待に胸をふくらませています。しかし、その情報は本当に信じていいのでしょうか？
この記事では、「フィガロ復刻の噂」の真偽をわかりやすく解説するとともに、日産の公式発表の有無や、復刻の可能性についても丁寧にお伝えします。さらに、現在も人気を誇る中古市場の情報や、フィガロに似たおすすめ車種もご紹介。
記事を読み終えるころには、フィガロ復刻の真相を正しく理解し、「今の選択肢」がはっきり分かるようになります。
日産フィガロとは？【レトロカーの代表格】
1989年発表のレトロデザインが話題に
日産フィガロ(Nissan Figaro)は、1989年の東京モーターショーで初披露され、1991年に期間限定で販売されたコンパクトカーです。その最大の特徴は、クラシカルなヨーロピアンスタイルのデザイン。1950〜60年代のイギリス車やフランス車を思わせるような丸みを帯びたフォルム、キラキラと輝くクロームメッキのパーツ、そして折りたたみ式の布製ルーフ（キャンバストップ）が採用され、登場当初から多くの人の注目を集めました。
日産が立ち上げた「パイクカーシリーズ(Be-1、PAO、フィガロ、S-Cargo)」の中でも、フィガロは最も華やかで”可愛らしい”存在として人気を博しました。販売当時は完全受注生産方式で、抽選により約2万台のみが生産された希少なモデルです。
いまも世界中で愛される理由
販売終了から30年以上が経過した今でも、フィガロは世界中のクラシックカーファンから愛され続けています。特に日本国内はもちろん、アメリカやイギリスなどでも非常に人気が高く、SNSや中古車市場では今なお高値で取引されています。
その理由としては、時代を超えて魅力を放つ「唯一無二のデザイン性」、現代の目から見ても可愛く、おしゃれなルックス、そしてコンパクトで運転しやすいサイズ感が挙げられます。また、愛好家によるレストア（修復）やカスタム（改造）が盛んで、「世界に一台だけのフィガロ」を楽しむオーナーも多く存在します。
加えて、1991年という比較的新しい年式の車であるため、クラシックカーの中ではメンテナンス性も悪くなく、普段使いにも対応できる点も評価されています。
【要注意】復刻の噂はデマ?SNSやYouTube動画の真相
SNSやYouTubeで広まる「復刻」情報
最近、YouTubeやX(旧Twitter)などのSNS上で、「日産フィガロが復刻されるらしい」と話題になることが増えています。特にYouTubeでは、「日産フィガロが2025年に復活!?」「電気自動車(EV)として再登場か」といった興味を引くタイトルの動画が多くの再生回数を集めています。
動画内では、実際に存在する別のコンセプトカーやコンピューターで合成された車両画像を「復刻版フィガロ」として紹介しているケースが多く、一見すると本当に復刻されるかのように思ってしまう内容になっています。
公式からの発表は一切なし
しかし、結論からお伝えすると、2025年3月時点で日産自動車からフィガロの復刻に関する公式な発表は一切ありません。日産の公式ウェブサイト、ニュースリリース、信頼できる自動車メディア(たとえばベストカーWeb、Car Watch、Responseなど)を確認しても、復刻に関する計画は発表されていません。
つまり、現在ネット上で流れている「フィガロ復刻」の話題は、現時点では根拠のない推測、または視聴者の興味を惹くための誇張表現である可能性が高いのです。
なぜこうしたデマが拡散されるのか
近年、トヨタ「ランドクルーザー70」やホンダ「S660」など、昔の人気車種のリバイバル（復活）や再販が話題になる中で、「フィガロも復刻されるのでは？」という期待が高まっているのは自然な流れとも言えます。
また、YouTubeやTikTokでは、視聴者の関心を引くために“思わずクリックしたくなるような派手なタイトルやサムネイル”が多用される傾向があります。その結果、情報の真偽が確認されないまま広まり、誤解が広がるケースが後を絶ちません。
実際、X上では「フィガロが復刻するって聞いたけど、ソースが分からない」「フェイクじゃない？」という疑いの声も増えてきています。
信頼できる情報を見極めるポイント
こうした情報の波に惑わされないためには、信頼できる情報源を自分で見極めることが重要です。
以下のようなポイントに注意すると、情報の正確性を判断しやすくなります。
フィガロ復刻に関する本当のニュースが出た場合、まずは日産公式サイトや信頼できるニュースメディアで確認するようにしましょう。
フィガロ復刻の可能性はゼロじゃない？将来的な展望
近年の「旧車復刻」ブームとは
近年、国内外の自動車メーカーでは、「旧車の復刻」がひとつの流行となっています。たとえば、トヨタはランドクルーザー70を2023年に再販し、ホンダも過去の名車「S600」「シティ」などの特徴を現代風に取り入れたモデルを展開。また、日産自体も、2022年にフルモデルチェンジした新型フェアレディZを「ネオ・クラシックデザイン」として発表し、過去の名車Z32を思い起こさせる外観が話題になりました。
こうした復刻モデルの背景には、デザイン的な”懐かしさ”に価値を見出すユーザー層の増加があります。Z世代（1990年代後半〜2010年代前半生まれ）を中心に、「レトロだけど新しい」商品に対する関心が高まっており、ファッションや家電だけでなく、車の世界にもその波が押し寄せているのです。
このような状況をふまえると、フィガロのように強いデザイン的個性を持ち、今なお根強いファンが存在するモデルが復刻される可能性は、決してゼロではないと言えるでしょう。
中古車で買える「元祖フィガロ」も人気！
今の相場はどれくらい?
フィガロは1991年に約2万台が生産された限定車であり、現在では「プレミア価値」を持つ中古車として取引されています。2025年現在、日本国内で販売されているフィガロの中古車価格は、状態や走行距離、修復の有無により約150万円〜400万円程度と幅があります。
特にオリジナルの外装・内装を保った車両や、走行距離が少ない「低年式・低走行」のフィガロは、300万円以上の価格で取引されるケースも珍しくありません。また、ボディカラーによっても価格差があり、人気色の「ラピスグレイ」や「トップレスブルー」は相場がやや高めの傾向があります。
レストア済みの高級中古も注目
近年では、全面的に修復・整備されたフィガロを販売する専門ショップも増えてきました。ボディの全塗装はもちろん、エンジンや足回り（サスペンションなど）の整備、内装のリフレッシュまで行われた”極上コンディション”の車両も人気です。
これらの車両は300万〜500万円以上する場合もありますが、「古い車は維持が大変」というイメージを覆すような、高い品質を誇ります。クラシックカー初心者でも安心して乗れる点から、こだわりの趣味として注目する人も増えています。
安心して買うにはどこで探せばいい？
フィガロを探すなら、信頼できる中古車販売店や専門ショップを選ぶのが重要です。
とくに以下のようなポイントをチェックしましょう。
代表的な専門ショップには、「ロッキーオート」や「パイクファクトリー」などがあり、修復技術に定評があります。また、カーセンサーやグーネットなど大手中古車サイトでも全国の在庫を探すことができます。
フィガロ復刻を待ちきれない人におすすめの車
フィガロに似たデザインの現行車種
フィガロのようなレトロで可愛らしいデザインに惹かれている方には、現行モデルでも似た雰囲気の車種がいくつか存在します。特におすすめなのは以下の3台です。
ダイハツ ミラジーノ（中古車）
現行モデルとしての生産は終了していますが、「平成の名車」とも称されるミラジーノは、クラシックミニ風の外観が魅力的。丸い形のヘッドライトとコンパクトなボディはフィガロにも通じる雰囲気があり、中古車市場でも安定した人気があります。価格帯も手頃で、維持費も軽自動車ならではの経済性があります。
フィアット500（チンクエチェント）
イタリアの名車「フィアット500」は、レトロと現代的なデザインを融合させた一台。丸みのあるフォルムやコンパクトなサイズ感は、まさにフィガロを現代風にしたような存在です。内装の遊び心やカラーバリエーションも豊富で、街中でもひときわ目を引きます。
スズキ ラパンLC
スズキのラパンシリーズの中でも、特に「LC（レトロ仕様）」はフィガロファンの心をくすぐる一台です。クラシカルな丸目ヘッドライトに、内装も白系カラーを基調としたおしゃれな仕上がり。安全性能や燃費性能も現代の水準に対応しており、実用性とデザイン性を兼ね備えています。
これらの車種は新車・中古問わず購入可能であり、フィガロのような世界観を味わいたい人にとって、現実的かつ満足度の高い選択肢と言えるでしょう。
レトロスタイルが魅力の国産＆輸入車
レトロスタイルは近年再び注目を集めており、国産・輸入を問わず各メーカーが独自の方法でレトロな雰囲気を表現しています。以下はその一例です。
ホンダ N-ONE
昭和の軽自動車「N360」をモチーフにした現代の軽。どこか懐かしさを感じるルックスと、最新の安全機能が魅力。
ミニ(BMW MINI)
英国のクラシックカー「ミニクーパー」をBMWが現代風にアレンジ。フィガロほどの可愛らしさはないものの、レトロ感とスポーティさを両立。
シトロエン C3
フランス車らしい個性的な丸みと遊び心のあるデザイン。内装もおしゃれで、フィガロ愛好家の感性にもフィットしやすいモデルです。
レトロと現代の融合を楽しみたい方には、こうした車種もチェックする価値があります。
もし復刻されたら?EV化やデザイン予想
仮にフィガロが現代に復刻されるとしたら、その形はどのようなものになるでしょうか？
まず確実に考えられるのが電気自動車（EV）としての再設計です。日産は「リーフ」や「アリア」といった電動車の開発に力を入れており、もしフィガロが再登場するとすれば、環境に配慮した電動モデルになる可能性が高いでしょう。
デザイン面では、オリジナルのクラシカルなルックスを大きく変えず、ヘッドライトやテールランプにLEDを採用し、安全装備・快適装備を現代基準にアップデートする形が考えられます。たとえば以下のような進化が予想されます。
こうした”懐かしさと革新の融合”は、今の市場においても大きな支持を得られる可能性が高く、多くのファンが「いつか現実になるかも」と期待を寄せています。
